製造業の現場で、日々の備品調達に製造業の現場では、工具、消耗品、部品、事務用品まで、日々さまざまな物品の調達が必要不可欠です。近年、こうした間接材・副資材の購買プロセスを効率化するために、オンラインのBtoB(企業間取引)向け購買プラットフォームを活用する企業が増えています。

中でも代表的なのが「Amazonビジネス」「モノタロウ」です。どちらも便利なサービスですが、それぞれに特徴があり、得意分野も異なります。

この記事では、製造業の購買担当者や現場担当者の視点から、Amazonビジネスとモノタロウを徹底比較し、自社のニーズに合ったプラットフォームを選ぶためのポイントを解説します。

Amazonビジネス
5.0

Amazonビジネスは、Amazonが提供する法人や個人事業主向けの通販サービスです。個人向けのAmazon.co.jpに事業者向けの機能やサービスが追加されており、ビジネス活動における購買プロセスを改善し、業務を効率化することを目的としています

メリット
  • 法人価格や数量割引が利用できる
  • 見積書を発行できる
  • 請求書による後払いが選択できる
  • 複数のユーザーアカウントを作成できる
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Amazonビジネスとモノタロウ:基本概要

まずは、それぞれのサービス概要を簡単に見てみましょう。

Amazonビジネス

個人向けAmazonの法人・個人事業主向けサービス。

オフィス用品、IT機器、家電から、工具、安全保護具、研究開発用品まで、数億種類という圧倒的な品揃えが特徴

個人向けAmazonと同様の使いやすいインターフェース。

法人向けの価格設定、数量割引、請求書払い、見積書発行機能、承認機能など、ビジネスに必要な購買機能を提供。

Amazonより法人に特化しているので、会社としての管理がしやすいのが特徴です

見積書以外にも法人・個人に嬉しいお得なサービスが盛りだくさん

モノタロウ

工場用間接資材 (MRO: Maintenance, Repair, and Operations) を中心としたBtoBオンラインストア。

工具、作業用品、安全保護具、化学製品、FA・制御部品など、製造現場で必要なプロユースの商品に特化。約2,000万点以上の品揃え。

当日・翌日出荷に対応する商品が多く、現場の急なニーズにも対応しやすい。

プライベートブランド(PB)商品も豊富で、コスト削減に貢献。

Amazonとモノタロウ徹底比較:製造業の視点から見るポイント

製造業の担当者として気になるであろう項目別に、両サービスを比較してみましょう。

比較項目
Amazonビジネス


モノタロウ
利用料金年会費無料
(プライム会員は有料)
無料
① 商品の専門性幅広い(オフィス用品~専門品まで)◎ 高い(MRO、工場用品に特化)
② 商品の網羅性◎ 非常に高い(数億種類)非常に高い(MRO中心に約2,000万点)
③ 価格法人価格・数量割引あり。多様な出品者による価格競争専門品は競争力あり。
PB品でコスト削減可能。
④ 納期◎ 早い(プライム対象品など)◎ 早い(在庫品は当日・翌日出荷が多い)
⑤ 検索性一般的(キーワード検索中心)○ 専門的(型番、スペック検索に強い)
⑥ 購買管理機能○ 充実(承認ルール、購買分析、請求書払い)○ 充実(承認機能、見積もり機能、請求書払い)
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① 商品の専門性:現場のニーズに応えるのは?

  • モノタロウ: 最大の強みは、MRO(工場用間接資材)への特化です。工具、切削油、ベアリング、安全靴、作業着、制御部品など、製造現場で「これが欲しい」という専門的な商品が見つかりやすいのが特徴です。型番や詳細なスペックからの検索にも強く、代替品を探す際にも便利です。
  • Amazonビジネス: 幅広いジャンルを扱っており、MRO関連商品も多数ありますが、モノタロウほどの専門性や深掘りされた品揃えではない場合があります。一方で、オフィス用品やIT機器、研究開発用の試薬・機器などもまとめて購入できる点はメリットです。

製造現場で使う専門的な工具や部品、消耗品が主な調達対象なら、モノタロウが探しやすいでしょう。

② 商品の網羅性:幅広い調達に対応できるのは?

  • Amazonビジネス: 数億種類という圧倒的な品揃えは他に類を見ません。現場で使う資材だけでなく、事務所で使う文房具やコピー用紙、IT部門が必要とするPC周辺機器、研究開発部門の備品まで、あらゆる部署のニーズを一つのプラットフォームで満たせる可能性があります。
  • モノタロウ: MRO分野に絞れば非常に網羅的ですが、Amazonビジネスほどの裾野の広さはありません。

部署を横断して様々なジャンルの物品を一元的に購入したい場合は、Amazonビジネスが有利です。

③ 価格:コスト削減につながるのは?

  • Amazonビジネス: 法人価格や数量割引が設定されている商品が多く、一般のAmazonより安価に購入できる場合があります。多数の出品者がいるため価格競争も働きやすいですが、専門的なMRO商材に関しては、必ずしも最安値とは限りません。
  • モノタロウ: 専門商社やメーカーとの直接取引、PB商品の展開により、MRO分野では競争力のある価格設定が多く見られます。特に、頻繁に購入する消耗品などは、モノタロウのPB商品を利用することで大幅なコスト削減が期待できます。大口割引が適用される場合もあります。

MRO関連のコストを重視するならモノタロウ、特にPB商品の活用が効果的。幅広い商品を比較検討したい場合はAmazonビジネスも有効です。

④ 納期:急な必要にも対応できるのは?

  • Amazonビジネス: Businessプライム会員であれば、対象商品のお急ぎ便・当日お急ぎ便が無料で利用でき、スピーディーな納品が期待できます。ただし、出品者や商品によって納期は異なります。
  • モノタロウ: 在庫を持つ商品が多く、15時までの注文で当日出荷(地域により翌日配達)に対応する商品が非常に多いのが強みです。現場での急な部品切れや消耗品の補充に迅速に対応できます。自社物流網を持つ点も強みです。

緊急で必要な現場資材が多い場合は、モノタロウの当日・翌日出荷体制が頼りになります。Businessプライムを活用できるならAmazonビジネスも迅速です。

⑤ 検索性:目的の商品を見つけやすいのは?

  • Amazonビジネス: 一般的なキーワード検索が中心。多くの人にとって慣れたインターフェースですが、専門的な型番や細かいスペックでの絞り込みは、モノタロウに比べて弱い場合があります。
  • モノタロウ: 型番検索や、材質・サイズ・規格などの詳細なスペックでの絞り込み検索機能が充実しています。目的の部品や工具をピンポイントで探したい場合に便利です。

→ 特定の型番や仕様が決まっている商品を探すならモノタロウ。曖昧なキーワードで広く探したい場合はAmazonビジネスも使いやすいでしょう。

⑥ 購買管理機能:管理部門にとって便利なのは?

  • Amazonビジネス: 承認ワークフローの設定、複数ユーザー管理、購買データ分析レポート、見積書作成機能、請求書払い(掛売り)など、企業の購買統制に必要な機能が揃っています。Businessプライムではさらに高度な機能も利用可能です。
  • モノタロウ: 同様に、承認機能、見積書作成機能、ユーザーごとの権限設定、請求書払い(締め支払い)に対応しており、企業での利用に適しています。予算管理機能なども提供されています。

どちらも基本的な購買管理機能は充実しています。インターフェースの好みや、既存システムとの連携(API連携など)のしやすさで選ぶのも良いでしょう。

よくある質問

Amazonって見積書出せないのでは?
商品の品揃えについてどっちがおおいですか?

Amazonビジネス: オフィス用品、PC周辺機器、工具、作業用品、食品、飲料など、非常に幅広い商品を取り扱っています。一般消費者向けの商品も多く、多様なニーズに対応できます。

モノタロウ: 工具、作業用品、工場消耗品、自動車用品など、現場で必要な専門的な商品に強みがあります。プロ向けの品揃えが豊富です。

まとめ:Amazonビジネスとモノタロウどちらを選ぶべきか?

上記の比較を踏まえ、どのような場合にどちらのプラットフォームが適しているかをまとめます。

【Amazonビジネスがおすすめのケース】

  • 現場で使うMRO商材だけでなく、オフィス用品、IT機器など、幅広いジャンルの商品をまとめて調達したい企業。
  • 部署や拠点が複数あり、購買プロセスの一元管理を重視する企業。
  • 個人向けAmazonの操作に慣れており、導入のハードルを下げたい場合。
  • Businessプライムを活用して、迅速な配送と豊富な特典を利用したい企業。

【モノタロウがおすすめのケース】

  • 調達の大部分が、工具、部品、作業用品などの**MRO(工場用間接資材)**である企業。
  • 専門的な商品の品揃えや、型番・スペック検索の精度を重視する企業。
  • 現場での急な資材需要が多く、当日・翌日出荷の確実性を求める企業。
  • PB商品の活用などにより、MRO関連のコスト削減を積極的に進めたい企業。
  • 商品の選定や仕様について、専門的なサポートが必要な場合。

【両サービスの併用も選択肢】

企業の規模や調達する品物の種類によっては、両方のサービスを使い分けるという方法も有効です。例えば、

  • 日常的なMROはモノタロウで購入し、専門性の低いものやオフィス用品はAmazonビジネスで購入する。
  • 価格比較のために両方のアカウントを持っておく。

といった活用方法が考えられます。

結論

Amazonビジネスとモノタロウは、どちらも製造業の購買活動を効率化する上で強力なツールとなり得ます。

  • 幅広い品揃えと汎用性を求めるならAmazonビジネス。
  • MROの専門性と確実な納期、コストを重視するならモノタロウ。

自社の調達品目の構成、現場のニーズ、管理部門の要求などを総合的に判断し、最適なプラットフォームを選択、あるいは併用することで、購買業務の効率化とコスト削減を実現しましょう。

Amazonビジネス
5.0

Amazonビジネスは、Amazonが提供する法人や個人事業主向けの通販サービスです。個人向けのAmazon.co.jpに事業者向けの機能やサービスが追加されており、ビジネス活動における購買プロセスを改善し、業務を効率化することを目的としています

メリット
  • 法人価格や数量割引が利用できる
  • 見積書を発行できる
  • 請求書による後払いが選択できる
  • 複数のユーザーアカウントを作成できる
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