【図解】UGREEN NASでWordPressを始める方法|社内ポータルを5ステップで構築

UGREEN NASにWordPressをインストールすれば、月額0円で社内ポータルや個人ブログを社内ネットワーク上に構築できます。UGOS Proには標準でDocker Composeに対応した「プロジェクト」機能があり、設定ファイルを貼り付けるだけでWordPressを起動できます。

この記事で分かること:

  • UGOS Pro公式の手順でWordPressをDockerにデプロイする方法
  • MariaDBと連携させるDocker Compose設定ファイルの全内容
  • 社内ポータルとして使うためのテーマ・プラグイン設定

僕は製造業のシステム推進室担当として、UGREEN NASync DXP2800で社内向けWebアプリを実際にDocker運用しています。この記事はUGREEN NASの公式手順をベースに、実際の操作で確認したポイントを加えて解説しています。

「Portainerが必要では?」と思うかもしれませんが、UGOS ProにはDockerプロジェクト機能が標準搭載されています。別途ツールを入れなくても動きます。

UGREEN NASでWordPressを動かすメリット

社内ポータルや個人ブログの構築手段として、UGREEN NASにWordPressを立ち上げることには明確なメリットがあります。

月額コストがかからない

レンタルサーバーは月額1,000〜3,000円前後かかります。NASを既に保有していれば、その上でWordPressを動かす追加コストはほぼゼロです。弊社でも「社内向けサイトにサーバー費用の稟議が通らない」という状況で、NASを活用する判断をしました。

社内ネットワーク内だけでアクセスできる

インターネットに公開せず、社内LAN内だけで動かせます。議事録・マニュアル・社内規定のような「外には出せない情報」を安心して載せられます。個人ブログとして使う場合も、ローカルで動かしながらコンテンツを育てる使い方ができます。

UGOS ProにDockerが標準搭載されている

UGOS ProのDockerアプリには「プロジェクト(Docker Compose)」機能が標準で組み込まれています。設定ファイルを貼り付けるだけでWordPressとデータベースをセットで起動でき、外部ツールは不要です。

WordPressはデータ保存にデータベースを必要とします。UGOS Proの公式手順ではMariaDB 10.6を推奨しています。MySQLでも動作しますが、この記事では公式推奨のMariaDBで進めます。

向かないケースも正直に言う

以下に該当する場合はレンタルサーバーを使うほうが確実です。

  • 外部(インターネット)からアクセスさせたい → 追加のネットワーク設定が必要で、止まっても誰も困らない前提が要る
  • NASが落ちると業務が止まる → 停電・故障リスクがある。ミッションクリティカルな用途には向かない
  • まずブログやアフィリエイトを始めたい → エックスサーバーのクイックスタートが圧倒的に楽で、障害対応やSSLの管理も不要

作業前に準備するもの

必要なもの
  • UGREEN NASync シリーズ(Docker対応モデル)
  • UGOS Proが最新版にアップデートされていること
  • App CenterからDockerアプリがインストール済みであること
  • NASのIPアドレスを事前に確認しておくこと(コントロールパネル → ネットワーク設定 → ネットワーク接続で確認)
  • PCのブラウザ(Chrome推奨)

特にNASのIPアドレスは必ず先に控えておいてください。Docker Composeの設定ファイル内に直接記述する必要があります。

UGREEN NASにWordPressをインストールする5ステップ

STEP1
DockerアプリからプロジェクトをI開く

UGOS Proの「Docker」アプリを開き、「プロジェクト」→「作成」をクリックします

STEP2
Docker Compose設定を貼り付ける

MariaDBとWordPressをセットにしたYAMLを入力してデプロイします

STEP3
ブラウザでWordPressにアクセスする

http://[NASのIP]:38010 にアクセスして初期セットアップを完了します

STEP4
テーマを変更する

管理画面から好みのテーマをインストールして有効化します

STEP5
ファイルアップロード制限を解除する

「Big File Uploads」プラグインで2MBのアップロード制限を解除します

STEP1:DockerアプリからプロジェクトI機能を開く

UGOS Proの管理画面を開き、「Docker」アプリを起動します。左メニューから「プロジェクト」を選択し、「作成」をクリックしてプロジェクト作成ウィザードを起動します。

[画像挿入:UGOS ProのDockerアプリで「プロジェクト → 作成」をクリックする画面]

STEP2:Docker Compose設定を入力してデプロイ

プロジェクト作成ウィザード内のエディタに、以下のDocker Compose設定を貼り付けます。

貼り付け前に必ず確認:WORDPRESS_DB_HOST の値にある NASのIPアドレス を、自分のNASの実際のIPアドレスに書き換えてください(例:192.168.1.100:33308)。NASのIPはコントロールパネル → ネットワーク設定で確認できます。

version: "3" services: wordpressdb: image: mariadb:10.6 container_name: wordpressdb restart: always network_mode: bridge volumes: - ./mariadb/data:/var/lib/mysql environment: MYSQL_ROOT_PASSWORD: rootpassword MYSQL_DATABASE: wordpress MYSQL_USER: wordpress MYSQL_PASSWORD: YourSecurePassword ports: - "33308:3306" wordpress: image: wordpress:latest container_name: wordpress restart: always network_mode: bridge volumes: - ./wordpress/data:/var/www/html environment: WORDPRESS_DB_HOST: NASのIPアドレス:33308 WORDPRESS_DB_NAME: wordpress WORDPRESS_DB_USER: wordpress WORDPRESS_DB_PASSWORD: YourSecurePassword ports: - "38010:80"

設定のポイントを表で整理します。

設定項目説明
image(DB)mariadb:10.6UGREEN公式推奨のデータベースイメージ
image(WP)wordpress:latestWordPress最新版の公式イメージ
ports(DB)33308:3306MariaDBのポートをホストの33308に公開する
ports(WP)38010:80WordPressのアクセスポートは38010
WORDPRESS_DB_HOSTNASのIP:33308network_mode:bridgeのためサービス名不可。IPアドレスで指定する
MYSQL_PASSWORD / WORDPRESS_DB_PASSWORD両方を同じ値に2つのパスワードは必ず一致させる

network_mode: bridge を使う理由:UGOS Proの公式設定ではDockerのデフォルトブリッジモードを使います。このモードではコンテナ同士が「db」のようなサービス名で通信できないため、WORDPRESS_DB_HOST にNASの実際のIPアドレスとMariaDBの公開ポート(33308)を直接書く必要があります。

入力が完了したら「今すぐデプロイ」をクリックします。システムが自動的にイメージを取得し、コンテナを起動します。数分かかるので、完了表示が出るまで待ちます。

[画像挿入:Dockerプロジェクト作成ウィザードにYAMLを貼り付けてデプロイする画面]

STEP3:ブラウザでWordPressにアクセスして初期セットアップ

デプロイ完了後、ブラウザのアドレスバーに http://[NASのIPアドレス]:38010 を入力します。WordPressのインストール画面が開きます。

[画像挿入:WordPressの言語選択画面(日本語を選択している)]

  • 言語:「日本語」を選択して「次へ」をクリック
  • サイトのタイトル:会社名+「社内ポータル」など(後から変更可)
  • ユーザー名:管理者のユーザー名(「admin」は使わない)
  • パスワード:自動生成されたものをそのまま使うか、強固なものに変更
  • メールアドレス:管理者のメールアドレス

社内専用ポータルとして使う場合は、「Googleなどの検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れておきます。外部に公開する予定がないサイトが検索エンジンに拾われる必要はありません。

[画像挿入:WordPressの管理者情報入力画面]

「WordPressをインストール」を押して完了です。インストール後は http://[NASのIP]:38010/wp-admin にアクセスしてダッシュボードにログインできます。

[画像挿入:WordPressダッシュボードのログイン後のホーム画面]

STEP4:テーマを変更する

デフォルトのテーマのままでも使えますが、社内ポータルや個人ブログに合ったテーマに変えることで使い勝手が大きく変わります。

管理画面の「外観」→「テーマ」→「テーマを追加」をクリックします。好みのテーマを検索して「インストール」→「有効化」の順で進めます。

[画像挿入:WordPressのテーマ追加画面でテーマを検索している様子]

社内ポータル用途でよく使われるテーマの選び方:

  • Twenty Twenty-Five(デフォルト):まず動かしてみる段階ではこれで十分。後から変更可
  • Emanon Business:固定ページ中心のサイト構成が得意。マニュアル・規定の整理に向いている
  • SOLARIS(TCDテーマ):メガメニューが使えてカテゴリ分けが多い情報ポータルに強い

STEP5:ファイルアップロード制限を解除する

WordPressのデフォルトではアップロードできるファイルサイズが2MBに制限されています。画像や資料をアップロードするには「Big File Uploads」プラグインで制限を解除します。

管理画面の「プラグイン」→「プラグインを追加」で「Big File Uploads」と検索してインストール・有効化します。

[画像挿入:プラグイン追加画面で「Big File Uploads」を検索・インストールしている画面]

有効化後、「Setting」をクリックして最大アップロードサイズを任意の値(例:200MB)に変更して保存します。設定後は「メディア」のアップロード画面でファイルサイズ上限が変わっていることを確認してください。

[画像挿入:Big File UploadsのSettings画面で200MBに設定している画面]

アップロード制限はDockerのPHP設定ファイルを書き換える方法もありますが、プラグインのほうがずっと簡単です。UGREEN公式もこちらを推奨しています。

つまずきやすいポイントと対処法

よくあるトラブルと対処法

  • 「38010にアクセスしても表示されない」
    → コンテナ起動に時間がかかっています。2〜3分待ってからリロードしてください。Dockerアプリのプロジェクト一覧でコンテナが「実行中」になっているか確認を
  • 「データベース接続エラーが出る」
    WORDPRESS_DB_HOST のIPアドレスが正しいか確認してください。NASのIPが変わっていると接続できなくなります。また WORDPRESS_DB_PASSWORDMYSQL_PASSWORD が一致しているかも確認
  • 「MariaDBが先に起動しないとWordPressが落ちる」
    → 初回デプロイ時はMariaDBの初期化に少し時間がかかります。WordPressコンテナが先に起動して接続エラーになった場合は、Dockerアプリからwordpressコンテナだけを再起動してください
  • 「ポート38010や33308が使えない」
    → 別のコンテナがそのポートを使っている可能性があります。YAMLのポート左辺(ホスト側)を別の番号に変更してください

社内ポータルとしての活用アイデア

WordPressを社内で動かすと用途は意外と広がります。弊社や周辺で見る活用例です。

  • 社内規定・マニュアルの電子化:PDFより検索しやすく、更新がリアルタイムで反映される
  • お知らせ・通達の掲示板:全社メールの代わりにポータルに投稿して確認してもらう
  • 採用・研修資料の共有:入社時のオンボーディング資料を部署ごとにページ分け
  • ナレッジベース(FAQ):社内問い合わせを固定ページ化して繰り返しの質問を減らす
  • プロジェクト進捗の共有:固定ページでプロジェクト一覧を作り、担当者が随時更新する

NASでは同じDockerの仕組みで他のアプリも並行して動かせます。n8nで業務自動化フローを組んだり、ファイル共有ツールを立ち上げたりと、組み合わせ次第でNASが社内インフラの中枢になります。

よくある質問(FAQ)

UGREEN NASはどのモデルでもWordPressを動かせますか?

DockerをサポートするUGREEN NASync DXPシリーズ(DXP2800・DXP4800・DXP4800 Pro・DXP6800 Proなど)であれば動作します。エントリーモデルのDXP2800でも、社内ポータル用途なら十分なスペックです。弊社もDXP2800でWordPressを含む複数コンテナを並行稼働させています。

MariaDBではなくMySQLを使っても大丈夫ですか?

WordPressはMySQLでも動作します。ただしUGREEN NASの公式手順ではMariaDB 10.6を推奨しており、互換性の観点からも公式推奨に従うのが無難です。設定方法はほぼ同じで、imageの値を mysql:8.0 に変えるだけです。

WordPressのデータはどこに保存されますか?

NASのプロジェクトフォルダ内の ./wordpress/data(WordPressファイル)と ./mariadb/data(データベース)に保存されます。コンテナを停止・削除してもデータは消えません。これらのフォルダをUGOS Proのバックアップ機能で定期的にバックアップしておくことを推奨します。

NASのIPアドレスが変わったらどうなりますか?

WORDPRESS_DB_HOST にIPアドレスを直接書いているため、NASのIPが変わると接続できなくなります。ルーターでNASのIPアドレスを固定(MACアドレス予約)しておくことを強くおすすめします。

外部公開したい場合はどうすればいいですか?

外部公開を前提とするならレンタルサーバーへの移行を検討してください。NASと違い、停電・故障・ISP障害のリスクがなく、SSLも最初から整っています。会社のコーポレートサイトとして本格運用するならエックスサーバービジネスが信頼性・サポートの面で優れています。

まとめ:UGREEN NASで社内ポータルを月額0円で構築しよう

UGOS Proの標準Docker機能を使ってWordPressをインストールする手順を解説しました。

  • UGOS ProのDockerアプリには「プロジェクト(Compose)」機能が標準搭載。Portainerは不要
  • データベースはMariaDB 10.6を使う(UGREEN公式推奨)
  • WordPressのアクセスポートは38010(http://[NASのIP]:38010)
  • network_mode: bridgeのため、WORDPRESS_DB_HOSTにはNASのIPアドレスを直接書く
  • ファイルアップロード制限は「Big File Uploads」プラグインで解除する
  • NASのIPアドレスはルーターで固定しておくのが安定運用のコツ

NASがあれば、今日からWordPressを使い始められます。Dockerイメージは削除すれば元に戻せるので、まず動かしてみるのが一番早いです。

弊社のDXP2800はWordPressを含む3コンテナを並行稼働させていますが、CPU使用率はほぼ10%以下。エントリー機でも余裕があります。

NASを活用した社内アプリ構築の方法は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

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